コロナの影響で延期されていた福祉医療委員会の県内視察に、やっと出かけることが出来ました。コロナ前は午前中に1か所、午後から1か所と回っておりましたが、今回は午後1時に県庁を出て1か所のみに制限されました。本日の視察は「愛知子ども応援プロジェクトについて」というテーマで、子ども食堂について名古屋名東ロータリークラブの方からお話を伺い、施設見学を行いました。
「子どもの貧困率」の現状は、生活意識別調査で「苦しい(大変苦しい、やや苦しい)」と回答した方が、全体では54.4%、児童のいる家庭では60.4%、母子世帯では86.7%という数字が出ています。子どもの貧困率の国際比較では、OECD先進諸国42か国中21番目に高く、その中でも大人が一人の家庭の「子どもの貧困率」は3番目に高いという数字が出ています。
その貧困家庭を救おうと「子ども食堂」が立ち上がりました。2012年に東京都大田区で始まり、2021年3月時点で、全国約5000か所で続けられています。この目的は『①貧困家庭や孤食のお子さんに、無料や安価で食事を提供する ②親子連れやお年寄りも利用可能 ③安心して過ごせる居場所作り ④教育格差問題への取組(貧困の連鎖からの脱出)』となっています。
愛知県内では2015年7月に、県内初の子ども食堂が長久手市に開設されました。2016年には約30か所が開設され、現在では220か所まで増設されています。主に一般市民がボランティアで開設・運営されています。NPO法人・元教師、医療従事者、レストラン経営者、協会・お寺・地域団体・社会福祉法人などの団体が貧困家庭を救おうと努力されています。
子ども食堂の課題は『①開設のハードルは低いが、継続が困難 ②場所・資金・ボランティア・食材の確保 ③食物アレルギー対策・衛生管理 ④子ども同士の事故などへの保険加入 ⑤支援を必要としている家庭への情報提供』となっており、これらの課題克服のために「愛知子ども応援プロジェクト」が活動している現状を教えていただきました。県としてのサポートに取り組んでまいります。